「年齢のせいかな…」で終わらせていませんか?
薬剤師が考える原因と対策【論文・厚労省データをもとに解説】
この記事でわかること
✓ 性欲低下の原因
✓ 睡眠不足との関係
✓ ストレスとの関係
✓ 薬の影響
✓ 受診の目安
私は泌尿器科門前の薬局で勤務する薬剤師です。
今回は、論文や厚労省データをもとに、性欲低下の原因について解説します。
- 最近なんとなく性欲が落ちた
- 疲れてそのまま寝てしまう
- 昔より性欲が減った気がする
- ストレスのせい?
そんなふうに感じたことはありませんか?
性の悩みって、
かなり人に相談しづらいですよね。
実際には、
「最近元気が出ない」
「疲れが取れない」
という相談の背景に、
性欲低下やEDへの不安が隠れているケースも少なくありません。
性欲は単純に“男性ホルモンだけ”で決まるわけではありません。
最近では、
- 睡眠
- ストレス
- 心理状態
- 疲労
- 生活習慣
など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
日本人は思っている以上に疲れている
今回は、論文や厚労省データをもとに、
薬剤師の視点からわかりやすく解説します。
まず前提として、現代人はかなり疲れています。
「週3回以上、日中に眠気を感じる人」は約35%。
さらに、働く人の約6割が仕事で強いストレスを感じているとされています。
仕事や職業生活で強いストレスを感じている人は約7割にのぼります。ストレスは睡眠の質を低下させ、結果として性欲低下にもつながることがあります。
つまり、
- 睡眠不足
- 慢性的な疲労
- 強いストレス
を抱えながら生活している人がかなり多い可能性があります。
薬局でも、
「休みの日はずっと寝ている」
「寝ても疲れが取れない」
という話は本当によく聞きます。
そして、こうした状態は、
性欲にも影響する可能性があります。
原因① 睡眠不足
睡眠とテストステロンは深く関係している
実は、男性ホルモン(テストステロン)は、
睡眠中に分泌が促進されます。

厚生労働省の国民健康・栄養調査では、20歳以上の34.8%が週3回以上の日中の眠気を経験していることが報告されています。
慢性的な睡眠不足は集中力低下だけでなく、男性ホルモン(テストステロン)の分泌低下とも関連すると考えられています。
「最近性欲が落ちた」と感じる場合、まずは睡眠時間や睡眠の質を見直すことが重要です。
睡眠とテストステロンに関するレビュー論文では、
「正常な睡眠構造はテストステロン分泌に重要」
と報告されています。
特に重要なのが、
“深い睡眠(徐波睡眠)”です。
睡眠不足が続くと、
- テストステロン低下
- 疲労感
- 集中力低下
などにつながる可能性があります。
その結果として、「以前より性欲が落ちた」
と感じるケースもあります。
特に最近は、
「寝る直前までスマホを見ている」
という方がかなり多い印象です。
脳が休まらない状態が続くと、
睡眠の質にも影響します。
実際に患者さんから相談を受ける中でも、
睡眠が乱れている方ほど、
「疲労感」
「やる気低下」
を訴えられるケースが多い印象があります。
原因② ストレス
ストレスも、性欲低下の大きな原因の1つ
“脳疲労”もかなり大きい
慢性的なストレス状態では、
コルチゾールというストレスホルモンが増加します。
コルチゾールが高い状態が続くと、
視床下部—下垂体—性腺系(HPG軸)へ影響し、
テストステロン低下につながる可能性があります。

少し難しく感じるかもしれませんが、
簡単にいうと、
「脳がずっと緊張状態」
になっているイメージです。
実際、性欲に関するレビュー論文でも、
- 心理状態
- 人間関係
- ストレス
などが、性欲へ影響すると報告されています。
例えば、
- 仕事のプレッシャー
- 育児疲れ
- 人間関係
など。
「体力はあるのに気持ちが向かない」
という場合は、
脳疲労の影響も考えられます。
原因③ 疲労の蓄積
体は“回復”を優先する
疲労が蓄積すると、
脳は“回復”を優先します。
すると、
- やる気
- 集中力
- 性欲
などが低下しやすくなります。
特に、
- 長時間労働
- 運動不足
- 不規則な生活
は悪循環になりやすいです。
薬局でも、
「仕事終わりは何もする気が出ない」
という方はかなり多い印象です。
性欲低下って、
意外と“体からのSOS”なのかもしれません。
原因④ 薬の影響
薬剤性の性機能低下
意外と知られていませんが、
薬の副作用が関係することもあります。
特に、
- SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- 一部の抗精神病薬
- ベンゾジアゼピン系
- 一部の降圧薬
などでは、
性欲低下やEDが報告されています。
もちろん、
全員に起こるわけではありません。
ただ、
「薬を飲み始めてから変わった気がする」
場合は、
医師や薬剤師へ相談することも大切です。
自己判断で中止するのは危険なこともあるため、
注意してください。
「男性ホルモンだけ」が原因ではない
性欲低下というと、
「テストステロン不足?」
と思う方も多いです。
もちろん、
男性ホルモンは重要です。
実際、
レビュー論文でも、
「血中テストステロン濃度と性欲には関連がある」
と報告されています。
ただ、
実際の現場感としては、
“男性ホルモンだけで説明できない”
ケースもかなり多い印象です。
例えば、
- 睡眠不足
- ストレス
- 疲労
- メンタル不調
などが重なっている方は本当に多いです。
だからこそ、
「サプリだけ飲めば解決」
というほど単純ではありません。
まず見直したいこと
性欲低下を感じたときは、
まず生活習慣を整えることが重要です。
特に大切なのは、
- 睡眠時間を確保する
- 軽い運動をする
- ストレスを溜めすぎない
- 食事を極端に偏らせない
- お酒を飲みすぎない
こと。
実際に患者さんから相談を受ける中でも、
睡眠習慣を見直したことで、
「疲労感が軽くなった」
「日中の活力が戻った」
と話される方は少なくありません。
こんな場合は受診も検討
以下のような場合は、
医療機関への相談も検討してください。
- 急激に性欲が低下した
- ED症状がある
- 強い疲労感が続く
- 気分の落ち込みが強い
- 日常生活へ影響している
背景に、
- 睡眠障害
- うつ状態
- 男性ホルモン低下
- 内分泌疾患
などが隠れていることもあります。
まとめ
性欲低下は、
単純に「年齢のせい」とは限りません。
実際の研究でも、
- 睡眠
- ストレス
- 疲労
- 心理状態
- 薬剤
- 生活習慣
など、
さまざまな要因が関係しているとされています。
性欲低下は、
男性ホルモンだけでなく、
睡眠・ストレス・疲労など、
心身の状態を反映するサインの1つと考えられています。
もし最近、
「かなり無理しているかも」
と感じているなら、
まずは睡眠や休息を少し見直してみるのも大切かもしれません。
このブログでは今後も、
- 睡眠
- ストレス
- 性の悩み
- 市販薬
- 健康情報
について、
薬剤師の視点から、
論文ベースでわかりやすく発信していきます。
参考文献
Bancroft J.
Testosterone and Sexual Desire: A Review of the Evidence.
Liu PY et al.
The relationship between sleep disorders and testosterone.
厚生労働省
健康づくりのための睡眠ガイド2024
