AVを見るとEDになる?薬剤師が論文を調べて分かった本当の原因

ED

「AVでは勃起できるのに、彼女との性行為になるとうまくいかない」

「最近ED気味だけど、AVの見すぎが原因なのだろうか」

「ポルノEDという言葉を見て不安になった」

このような悩みを抱えている男性は少なくありません。

SNSやYouTubeでは「AVを見るとEDになる」「ポルノ断ちで人生が変わる」といった情報も見かけます。しかし実際の医学研究を見ると、話はそれほど単純ではありません。

結論から言うと、現在の医学では「AVを見るだけでEDになる」と証明されたわけではありません。一方で、AVの視聴習慣や性的刺激への慣れが、実際の性行為に影響する可能性はあります。

この記事では、海外研究やED診療ガイドラインをもとに、AVとEDの本当の関係を解説します。

結論|AVを見るだけでEDになる証拠はない

最初に結論です。

現時点で、

「AVを見る人はEDになる」

と証明した研究はありません。

しかし、

・AVでしか興奮しなくなった

・現実の性行為に魅力を感じにくくなった

・性的刺激がどんどん強くなっている

という状態では、性行為で勃起しにくくなる可能性があります。

つまり問題なのは、AVを見ることそのものではなく、AVとの付き合い方です。

ポルノEDとは何か

近年話題になっているのが「ポルノED」です。

一般的には、

AVでは勃起できる

オナニーでは問題ない

しかし性行為になるとうまくいかない

という状態を指します。

血管や神経に異常があるというよりも、脳の性的刺激への反応が関係している可能性があると考えられています。

ただし、ポルノEDは正式な病名ではありません。

現在も研究が続いている概念であり、医学的に完全に確立されたものではないことを知っておく必要があります。

世界3419人調査で分かったこと

2021年にJacobsらは、141か国3419人の男性を対象にポルノ視聴と性機能の関係を調査しました。

この研究で興味深かったのは、単純なポルノ視聴時間よりも、

「問題のあるポルノ利用」の方がEDと関連していたことです。

つまり、

1日30分見たから危険

週に何回見たから危険

という単純な話ではありません。

むしろ、

AV以外では満足できない

現実の性生活よりAVを優先する

といった状態の方が問題になる可能性があります。

この結果は、「AVを見るとEDになる」という単純な説明では不十分であることを示しています。

あなたは大丈夫?セルフチェック

以下の項目を確認してみてください。

□ AVでは勃起できる

□ オナニーでは問題ない

□ 朝立ちはある

□ 性行為の時だけ失敗する

□ 20〜40代である

□ 糖尿病や高血圧はない

□ 強いストレスを感じている

□ AVを見る頻度が高い

3つ以上当てはまる場合は、心因性EDやポルノED傾向が関係している可能性があります。

一方で、

朝立ちがなくなった

性欲そのものが低下している

糖尿病や高血圧がある

という場合は、血管やホルモンの問題が隠れている可能性もあります。

薬剤師として感じること

薬局で男性患者さんから相談を受ける中で、「AVの見すぎが原因でしょうか?」という質問を受けることがあります。

しかし詳しく話を聞くと、仕事のストレスが強かったり、睡眠不足が続いていたり、過去の失敗経験からプレッシャーを感じていたりするケースも少なくありません。

実際には、AVだけで説明できるケースは多くなく、複数の要因が重なっていることがほとんどです。

そのため、「AVをやめればすべて解決する」と考えるのではなく、自分の生活習慣や精神的な状態も含めて見直すことが大切だと感じています。

受診を考えた方が良いケース

次のような場合は、一度医療機関へ相談することをおすすめします。

・朝立ちがなくなった

・性欲そのものが低下している

・糖尿病や高血圧がある

・数か月以上改善しない

・レクサプロ(エスシタロプラム)やパキシル(パロキセチン)などを服用している

・胸痛や息切れがある

EDは血管やホルモンの異常を知らせるサインになることもあります。

まとめ

AVを見るだけでEDになるという明確な証拠はありません。

しかし、AV以外では興奮しにくくなっていたり、現実の性生活への満足度が低下していたりする場合は、勃起機能に影響する可能性があります。

薬剤師としての印象では、AVそのものよりもストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れが背景にあるケースが多く見られます。

もしEDが気になるのであれば、AVだけを原因と決めつけず、自分の体調や生活習慣も含めて見直してみましょう。

参考文献

・ED診療ガイドライン 第3版

・Jacobs SF et al. Associations Between Online Pornography Consumption and Sexual Dysfunction in Young Men. 2021

・Capogrosso P et al. One Patient Out of Four with Newly Diagnosed Erectile Dysfunction Is a Young Man. 2013

・Park BY et al. Is Internet Pornography Causing Sexual Dysfunctions? A Review. 2016

タイトルとURLをコピーしました