日本人夫婦の平均的な性行為頻度は?年代別データと論文から薬剤師が解説【うちは少ない?】

夫婦で会話する写真に「夫婦の性行為頻度は?年代別データを解説」と書いた記事画像 夫婦関係

「日本人夫婦って、平均どれくらい性行為をしているの?」

「うちは月1回もないけど、少なすぎるのかな」

「年齢とともに減るのは普通?」

夫婦の性行為の頻度は、なかなか人には聞きにくいテーマです。

ネットで検索しても、極端な体験談や不安をあおる情報が多く、かえって不安になる方もいるかもしれません。

結論からいうと、調査対象と調査方法を確認すると、1組ごとの状況を平均回数だけで判断できないことがわかります。

国立社会保障・人口問題研究所の調査では、妻50歳未満の初婚どうしの夫婦で、過去1か月以内に夫婦間で性交があった割合は37.9%と報告されています。

同じ調査で「なかった」は58.5%、不詳は3.6%でした。性交の有無を聞いた値であり、1か月の平均回数を示すものではありません。

ただし、ここで大切なのは、「平均より少ない=夫婦関係が悪い」とは限らないということです。

この記事では、日本人夫婦の平均的な性行為頻度、年代別の傾向、セックスレスの実態、幸福度との関係について、論文や調査データをもとに薬剤師の視点から解説します。

この記事の結論

  • 調査対象と「回数」「有無」の違いを確認すると、数字の読み違いを避けられる
  • 公的調査では、妻50歳未満の初婚どうしの夫婦で過去1か月以内に性交があった割合は37.9%
  • 民間調査では、2018年の民間インターネット調査では、結婚相手との月平均1.7回と報告された
  • 年齢、育児、仕事、体調、ストレスで頻度は大きく変わる
  • 大切なのは「平均回数」ではなく、夫婦が納得できているか
  • 幸福度との関係では、週1回程度で頭打ちになる可能性が報告されている

日本人夫婦の平均的な性行為頻度はどれくらい?

まず、日本人夫婦の性行為頻度を考えるうえで重要なのが、公的調査と民間調査の違いです。

公的調査では「過去1か月以内に性交があったか」という形で調べられることが多く、民間調査では「月に何回くらいか」という回数ベースで調べられることがあります。

国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査では、妻50歳未満の初婚どうしの夫婦において、過去1か月以内に夫婦間で性交があった割合は37.9%でした。

一方、相模ゴム工業の2018年のインターネット調査では、結婚相手との1か月の性行為回数を平均1.7回と報告しています。調査対象や質問が異なるため、公的調査の37.9%と直接比較はできません。

調査結果何を測ったか
第16回出生動向基本調査(2021年)37.9%妻50歳未満・初婚どうしの夫婦で、過去1か月に性交があった割合
相模ゴム工業「ニッポンのセックス2018」月平均1.7回結婚相手との回数を尋ねた民間インターネット調査

ポイント

調査によって対象や質問が違います。上の37.9%は月の平均回数ではありません。1.7回も「この回数が標準・理想」という意味ではありません。平均だけで、自分たちが異常かどうかを判断することはできません。

年代別のデータ|過去1か月に性交があった割合

国立社会保障・人口問題研究所の2021年調査では、妻の年齢別に次の結果が示されています。これは「月に何回か」ではなく「過去1か月に性交があったか」の割合です。

妻の年齢過去1か月に性交あり
25歳未満68.4%
25〜29歳64.5%
30〜34歳48.2%
35〜39歳42.4%
40〜44歳36.1%
45〜49歳23.6%

出典:第16回出生動向基本調査・夫婦調査(図表8-1-1)。対象は妻50歳未満の初婚どうしの夫婦です。25歳未満の集計は38組と少数です。年齢ごとの違いには結婚年数、出産・育児、健康状態なども関わり得るため、この表だけで「加齢が原因」とは言えません。50代以上の夫婦にこの表の値を当てはめることもできません。

セックスレスの定義とは?

日本では「セックスレス」という言葉がよく使われます。

日本性科学会が2024年に更新した説明では、特殊な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交とセクシュアル・コンタクトがいずれも1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合としています。学会による定義の経緯も確認できます。公的調査の「過去1か月に性交がなかった割合」とは、性的接触の有無など測定範囲が異なります。

つまり、単に「月1回未満」だからすぐ問題、という意味ではありません。

夫婦の双方が納得していて、関係に満足しているなら、大きな問題にならないこともあります。

注意したいケース

  • 一方だけが強い不満を抱えている
  • 拒否された側が「愛されていない」と感じている
  • 性の話題をまったく話し合えない
  • EDや性交痛など体の問題を放置している
  • 夫婦関係全体の会話が減っている

「平均より少ない」と夫婦関係は悪い?

ここが多くの読者が一番気になる部分だと思います。

結論として、平均より少ないからといって、夫婦関係が悪いとは限りません。

性行為の頻度は、夫婦によって大きく異なります。

週に数回でも不満がある夫婦もいれば、数か月に1回でも穏やかに暮らしている夫婦もいます。

重要なのは、回数そのものより、次の3つです。

大切な視点内容
納得感双方がその頻度に納得しているか
話しやすさ性について安心して話せるか
親密さ性行為以外のスキンシップや会話があるか

「平均より少ない」ことよりも、「話し合えない」ことの方が、夫婦関係には大きな影響を与える可能性があります。

週1回が理想?幸福度との関係

性行為の頻度と幸福度について、有名な研究があります。

Muiseらは、3万人以上を対象に、性行為の頻度と幸福感の関係を調べました。

その結果、カップルでは性行為の頻度が高いほど幸福度も高い傾向がありました。

しかし、その関連は週1回程度で頭打ちになることが報告されています。

これは観察研究でみられた関連です。週1回に増やせば幸福度が上がるという因果関係や、すべての夫婦に理想の回数があることを示したものではありません。

薬剤師から一言

「週1回が正解」という意味ではありません。大切なのは、夫婦にとって無理なく続けられる頻度かどうかです。

本当に大切なのは「回数」より「話しやすさ」

2022年のメタ解析では、性的コミュニケーションは、関係満足度や性生活満足度と関連することが報告されています。

この研究は関連を示したもので、性行為の回数と会話の効果を直接比較したものではありません。

性について安心して話せるかどうかが重要です。

例えば、次のような会話です。

  • 「最近疲れてない?」
  • 「無理しなくていいよ」
  • 「最近、少し寂しく感じている」
  • 「どうしたらお互いに負担が少ないかな?」
  • 「痛みや体調の問題はない?」

会話のしやすさと満足度には関連が報告されていますが、この研究だけで「会話を増やせば問題が解決する」とは言えません。相手の意思や体調を尊重しながら話すことが大切です。

薬剤師として伝えたいこと

薬剤師として相談を受けていると、性行為の頻度が減った背景に、体調や薬の影響が隠れていることがあります。

例えば、男性では以下のような要因が関係します。

  • 睡眠不足
  • 仕事のストレス
  • ED
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 抗うつ薬
  • AGA治療薬
  • 男性ホルモン低下

女性では、以下のような要因も関係します。

  • 育児疲れ
  • 睡眠不足
  • 性交痛
  • 産後のホルモン変化
  • 更年期
  • 婦人科疾患
  • 心理的ストレス

薬剤師として伝えたいこと

性行為の頻度が減ったからといって、すぐに「愛情がなくなった」と決めつけないでください。睡眠、ストレス、薬、痛み、生活習慣病が関係していることもあります。

乾燥や摩擦が気になるときの選択肢

性行為の回数より、お互いが無理なく過ごせることが大切です。パートナーが乾燥や摩擦による不快感を感じている場合は、本人の希望を確認したうえで、デリケートゾーン用の潤滑ゼリーを使う選択肢もあります。

ジェクスの「リューブゼリー」は、うるおいを補う水溶性の潤滑剤です。性欲を高めたり、セックスレスを解消したりする商品ではありません。

痛みが続く場合や出血がある場合は、無理に続けず婦人科へ相談してください。使用中に刺激やかゆみが出た場合も使用を中止してください。

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夫婦の性行為頻度が合わないときの対処法

平均と比べすぎない

平均回数は参考にはなりますが、正解ではありません。

夫婦の年齢、体調、仕事、育児、価値観によって、ちょうどよい頻度は違います。

「回数」ではなく「気持ち」を伝える

「もっとしてほしい」だけでは、相手にプレッシャーを与えることがあります。

「最近少し寂しく感じている」

「もう少し触れ合う時間があるとうれしい」

という伝え方の方が、話し合いやすくなります。

性行為以外のスキンシップを増やす

手をつなぐ。

隣に座る。

肩に触れる。

ハグをする。

こうしたスキンシップが戻るだけでも、夫婦の距離が近づくことがあります。

体調や薬の影響を確認する

急に性欲が落ちた、ED症状が出た、性交痛がある、薬を始めてから変化した場合は、医師や薬剤師に相談する価値があります。

気になる原因に合わせて次の記事へ:性欲そのものが落ちている場合は30代の性欲低下と受診の目安、勃起しにくさが続く場合はED治療薬の違いと医療機関での相談、抗うつ薬の開始後に変化した場合は抗うつ薬と性機能への影響をご覧ください。薬は自己判断で中止しないでください。

よくある質問

Q. 日本人夫婦の平均的な性行為頻度はどれくらいですか?

調査によって異なりますが、公的調査では妻50歳未満の初婚どうしの夫婦で過去1か月以内に性交があった割合は37.9%でした。民間調査では、結婚相手との月平均回数を1〜2回程度とするデータもあります。

Q. 月1回以下だと少なすぎますか?

必ずしも少なすぎるとは言えません。双方が納得していて、関係に満足しているなら、大きな問題にならないこともあります。

Q. セックスレスでも仲良し夫婦でいられますか?

可能です。ただし、どちらか一方が我慢している場合は、寂しさや不満が積み重なることがあります。

Q. 週1回が理想ですか?

研究では、調査対象での性行為頻度と幸福度の関連は週1回程度で頭打ちになる可能性が示されています。ただし、週1回が全員にとっての正解ではありません。

Q. 年齢とともに性行為が減るのは普通ですか?

普通に起こります。仕事、育児、睡眠不足、ストレス、ホルモン変化、生活習慣病、薬の影響などが関係します。

Q. 性欲の差がある場合はどうすればいいですか?

責めるのではなく、まず気持ちを共有することが大切です。「してくれない」ではなく、「寂しく感じている」と伝える方が話し合いやすくなります。

まとめ

この記事のまとめ

  • 過去1か月の性交の有無と月平均回数は別の指標
  • 妻50歳未満の初婚どうしの夫婦で過去1か月以内に性交があった割合は37.9%
  • 2018年の民間調査では結婚相手との月平均1.7回
  • 平均より少ないから夫婦関係が悪いとは限らない
  • 幸福度との関係では、週1回程度で頭打ちになる可能性がある
  • 大切なのは、回数よりも納得感と話しやすさ

「平均回数」よりも大切なのは、ふたりが納得できているかどうかです。

他人の夫婦と比べる必要はありません。

性行為の頻度が減ったときは、愛情がなくなったと決めつけず、睡眠、ストレス、体調、薬、痛み、夫婦の会話まで含めて考えてみてください。

夫婦の形に正解はありません。

大切なのは、ふたりが安心して話し合える関係を作ることなのかもしれません。

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参考文献

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